受験科目の順序による平均スコアの違い ー GMAT Test Prep Summit レポート 2

GMAT Test Prep Summit からの報告、2回目の記事として「GMAT 受験科目の順序による平均スコアの違い」について紹介したいと思います。


受験科目の順序による平均スコアの違い

GMATでは受験前に科目の順序を以下の3通りから選択することができます。

1997年以来、20年間ずっと「順序1」の選択肢のみだったのですが、2017年からは上記の3通りから受験順序を選択できるようになりました。

科目の選択ができるようになったことで頭に浮かぶ疑問は、「どの順序で受験するのが有利なのだろうか?」あるいは「選択する順序によって不公平は生じないのか?」ということだと思います。

2017年に科目順序選択可になった時点では、「事前モニター試験の結果によると、科目順序の違いにより受験者のスコアに有意な差異は見られなかった」との理由で、順序選択が採用されました。

以来4年が経過して、実際の試験での受験者スコアと受験科目の順序との関係を調査したところ、以下のような統計が得られたとのことです。

(グラフは、GMAC公表の一次資料に基づいて新たに作成したものです)

GMAT全受験者の平均スコア:受験科目順序別

AIQV:  AWA→IR→Quantitative→Verbal(順序1)

VQIA: Verbal→Quantitative→IR→AWA(順序2)

QVIA: Quantitative→Verbal→IR→AWA(順序3)

「順序1」で受験した人と「順序2」「順序3」との平均スコアには、20点以上の差が出ています。

しかし、この結果を見て「順序1で受験するのは明らかに不利だ!」と短絡的に結論を導けるわけではありません。

おそらく、本格的な試験戦略を学習したことがないGMAT初級者が「順序1」を選択する傾向があるため、必然的に平均スコアも下がっているのではないでしょうか。

つまり、「順序1を選択→スコア低下」という因果関係ではなく、「試験戦略の知識が少ない受験者→順序1を選択→実力通りのスコアになる」という因果関係による影響が大きいものと思われます。

「順序3」のケースでは、下記のブログ記事などを読んでこの順序が人気だということを知っている上級者の方が選択することが多いので、必然的に平均スコアも高くなるという結果になるものと思われます。

ちなみに、2017年から2021年までの日本人受験者の科目順序の選択比率は下記の通りだそうです。

日本人受験者の科目順序選択の割合

AIQV:  AWA→IR→Quantitative→Verbal(順序1)

VQIA: Verbal→Quantitative→IR→AWA(順序2)

QVIA: Quantitative→Verbal→IR→AWA(順序3)

おそらく、受講生の方だけの選択順序の比率では「順序1:順序2:順序3=6:3:1」くらいになるのではないかと推測していましたが、全受験者のデータでは、やはり予想通り「順序1」の割合が高くなっています。


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