今回は、GMATの『悪い勉強法』についてお話ししたいと思います。
GMATという試験は、たくさん勉強して何回か試験を受けてもなかなかスコアが上がらない、あるいは受験する度にスコアが下がる、という方は、実は意外に多いです。
そのような方から学習相談を受けたとき、「どんな勉強をしていますか?今までどんな勉強方法を採用してきましたか?」と質問することが多いのですが、ときどき、びっくりするほど間違った勉強法をしている方がいらっしゃいます。
GMAT勉強法 『悪い例』
「とにかく問題量をこなす」という勉強法
GMATクラス終了後しばらく期間が経過した方の学習法として目立つのが「問題数をこなすことが自己目的化してしまっている勉強法」です。
「SCは1日5問、CRは1日10問」などと決め、疲れている時でも調子が悪いときでも、学習スケジュールを厳格にこなすというやり方は、努力家の方に多く見られる学習法です。
しかし、GMATという試験では、授業で学習した知識を十分に思い出せないまま、あるいは十分に復習ができていないと感じたまま、自己流の思考法でたくさん問題をこなせばこなすほど、どんどん正解率やスコアが下がっていく、ということが非常によくあるものです。
いうまでもありませんが、試験のための勉強の目的は、学習時間や問題量という『ノルマをこなすこと』あるいは『これだけの努力をした』と納得することではなく、試験日に最大限の実力を発揮して『目標スコアを達成すること』です。
「何冊の教材を終わらせたか」や「同じ教材を何回復習したか」よりも、「どれだけ深く体系的に問題のポイントを理解したか」が、本番でのスコアを決めるものだということは、強調してもしすぎることはないと思います。
「問題文と選択肢を全て書き写す」という勉強法
実際に何人かこの方法を実践している人がいたので驚きました。膨大な時間がかかり、かけた時間に対する学習効果は非常に低いものになってしまうはずです。
また、問題の解法に関する要点をピンポイントで発見する実力を養成するには、むしろ逆効果になることも多いのではないでしょうか。
「問題文中に、解法や単語の意味を細かくメモする」という勉強法
GMAT学習においては、どんどん新しい問題を解くよりも、同じ問題を何度も解きなおして復習することに重点を置く方が、学習効果が高くなる傾向があります。
また、「一度間違えた問題を再び本気で解きなおして、もう一度間違えることから学ぶことの方が、新しい問題を間違えて学ぶことよりも、はるかに得るものが大きい」と言われます。
したがって、問題文にはメモなど書き込まずに、何のヒントもない状態で再び解きなおすという復習ができるようにしておくことがお奨めです。
メモをどんどん書き込むのは、解説冊子や問題のコピーの方にすべきだと思います。
「細かい知識の記憶や瑣末な論点の理解に時間をかけ過ぎてしまう」という勉強法
他の受験生が知らない高度な知識を学んだり、多くの人が理解していない論点を知ったりするのは非常に楽しくなることがあるものです。
何年もかけて趣味でGMAT研究をするのなら、そのような学習に時間をかけるのもよいのですが、限られた期間内に目標スコアを達成しようとする実践的な試験対策として非効率であることは言うまでもありません。
「憶えるべき重要な知識や論点」と「過去に1〜2度しか出たことがない瑣末な知識や論点」を明確に区別して学習していくべきです。