大きな壁を乗り越えて GMAT 目標スコアをクリアした事例

こんにちは。GMAT講師の中山です。

今回は、なかなかスコアが上がらずに苦しんだ結果、最終的に目標スコアを達成した方の事例を紹介します。

ここでは、仮にFさんと呼ぶことにします。

Fさんは、GMAT学習開始の時点でTOEFLが70点台でした。GMAT学習を開始する英語力が十分とは言えなかったのですが、企業派遣生でもあり、出願までの試験準備スケジュールを考えると、その時点でGMATクラスの受講を開始せざるをえないタイミングでした。

GMAT Verbal 対策コースを受講しているあいだは、日々の忙しい仕事とTOEFLの学習に時間を取られてしまい、GMATの勉強にはあまり身が入らなかったそうです。

その後しばらくしてTOEFLの目標スコアが出た後に本格的にGMATの復習を開始したわけですが、クラスで学んだことを忘れていたり誤解していたりしたため、必死にどんどん多くの問題を解くものの、正解率はなかなか上がらない日々がしばらく続きました。

しかしそれでも出願締め切りまでに何度かGMATを受験しておく必要があるということで、第1回目の受験をした結果、Verbalは10点台前半。目標スコアとは大きくかけ離れたスコアでした。

その後、GMAT Verbalの学習に1日平均3時間をかける毎日が続き、2~4回目の受験をしましたが、スコアは20点前後で伸び悩み、壁にぶつかった状態でした。

出願締め切りも迫り、エッセイの執筆も並行しなければならず、肉体的にも精神的にも辛い日々が続いていたことと思います。

Fさんが私の個別レッスンを初めて受講したのは、そんな時期です。

初回のレッスンで、実力診断として何問かその場で問題を解いていただいたのですが、予想通り、Sentence Correction基本知識に関していくつかびっくりするほどの誤解があったり、完全に忘れてしまったりしている重要事項が見つかりました。

そこで、どんどん練習問題を解くというこれまでの学習法はいったん中止してもらい、Strategyのテキスト(マニュアル)に記載されている重要事項の知識を次回レッスンまでに確実に憶えてくることを宿題にしました。

Critical ReasoningとReading Comprehensionに関しては、疲れているときとそうでないときとで読解力や集中力が大きくぶれることから、疲れているときは単語やイディオム等 の暗記を中心にして、集中力が高く頭が冴えているときにCritical ReasoningやReading Comprehensionの難問にチャレンジするようにとアドバイスしました。

また、Fさんの勉強スタイルや性格、生活習慣などを詳しく伺い、じっくりと相談した結果、試験前日や当日にも納得するまで勉強してもらうことにしました。

本試験での時間配分や前日と当日の学習法などに関しては、人によってベストな方法は異なります。

Fさんの場合は、これまでの受験経験から、心身ともにベストなコンディションで試験に臨むとかえって試験中に余計な雑念が湧いてしまい、問題に集中できなくなることが多かったそうです。

そこで、多少の疲れがある状態で試験に臨み、頭を目の前の問題を解くことで精いっぱいな状態にしておくことで実力を最大限に発揮する、という作戦をお奨めしました。

また、じっくり慎重に解こうとすると、ムダにもたついた解き方になり、頭の回転も鈍くなるような傾向がありましたので、試験中に慎重になりすぎることなく、普段通りのリズムで解くことをお奨めしました。

GMAT受験当日、試験が終わった直後にメールで朗報を知らせてくれました。

5回目の試験で、大きくスコアが飛躍。

ぎりぎりのところではありましたが、目標スコアを達成することができました。

最後まであきらめずに、やれるだけのことをやった努力が結果に結びついたことで、ご本人も私自身も感無量でした。

5回目のスコアをスクールに送付した結果、見事、第一志望のトップ校から合格通知が届きました。

Fさんの場合は、最後の最後にスコアを伸ばすことができたのでよかったのですが、理想を言えば、何度か本試験を受験した後に個別レッスン受講中に見せた気迫や集中力を授業を受講している間に発揮していれば、はるかに短期間でGMATを攻略できたのではないかと思います。