GMAT Verbalスコアと正解率の不思議な関係

GMAT Verbal / Quantitative セクションはご存知の通り Computer-Adaptive システムでスコアが算出され、正解するほど難しい問題が出てスコアが高くなり、不正解になると易しい問題が出てスコアが低くなります。

具体的な計算方法については、「非常に複雑なアルゴリズムを使っている」とだけ公表されていて、正確な採点方法はわかっていません。

ただ、本試験の多くの ESR (Enhanced Score Report) を比較してみると、一般的なVerbal目標スコアを取るための必要正解率の目安を知ることができます。

目標スコアのための必要正解率の大雑把な目安は、以下の通りです。

  • V. 25点: 50%
  • V. 30点: 60%
  • V. 35点: 70%
  • V. 40点: 80%

すなわち、Verbalスコアを2倍した数字が大まかな目標正解率の目安になります。

ただし、上の数字は実は±10-15%くらいの誤差があります。実際の本試験は Computer-Adaptive で採点されるため、難問の方が加点率が高く、易しい問題は加点率が低くなるからです。

易しい問題を間違えた場合は、高い正解率でも高得点が出ない場合があります

たとえば、極端なケースとしては以下のような例があります。(右上の「Total」正解率は私の加筆です。

上の2つの試験結果では、前半の正解率が全く同じだったにも関わらず、合計正解率が15%以上低い方が10点もスコアが高くなっています。

Verbalでは36問中6問(約17%)が採点されないダミー問題ですが、上のグラフではダミー問題を除いた Verbal 30問の正解率が表示されています。

おそらく、約67%の正解率で25点だったケースでは序盤にミスが出て低いレベル設定の問題を間違えた可能性が高く、60%以下の正解率で35点だったケースでは難問を多く間違えたという可能性が高いと推測されます。

また、連続不正解に対する減点も大きいことがわかっていますので、25点だったケースでは最後の方で連続不正解だった可能性もあります。

本試験や模擬試験で、なかなか30点を超えられなかった受験者の方ほど、「本試験ではOfficial Guideのような易しい問題は出ないから、もっと難しい問題で訓練する必要がある」などと学習体験談に書いていたりすることがありますが、大きな誤解です。

Verbal 45点を目指したい場合は別ですが、一般的な目標スコアである30〜35点前後を取るためには、多くの難問に正解することよりも、平均レベル以下の基本問題を落とさないことの方がはるかに重要だと言えるのではないでしょうか。

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