「GMAT 本試験・模擬試験の問題が Official Guide (OG) よりも難しい」理由

GMAT学習者
GMAT学習者

「GMAT の試験問題は OG よりもはるかに難しいので、OG で問題練習しても意味がない」という話を聞いたことがあるのですが、本当ですか?

中山
中山

OG には最も易しい問題から最も難しいレベルの問題まで満遍なく含まれている一方、GMAT試験はComputer-Adaptiveであるため、「試験問題の方が難しい」と感じることが多いのは当然と言えます。以下、詳しく理由を説明します。

GMAT試験の方がOGよりも問題が「難しい」と感じる3つの原因

1. GMATの採点の仕組み

GMATはComputer-Adaptiveシステムを採用していて、正解すると問題のレベルが高くなり、間違えるとレベルが低くなる仕組みになっています。

したがって、たとえば多くの方が得意とするQuantitative(数学)セクションで序盤に連続正解すると一気に最高レベルの問題が出題され、それらも正解するとずっと難問ばかりに出会うことになります。

一方、OGなどの公式問題集では、Easy-Medium-Hardレベルの問題が同じくらいの割合で収録されているため、特に得意科目では試験よりも易しい問題の割合が高くなり、「OGよりも試験の方がはるかに難しい」と感じることになります。

Verbalセクションでは、世界の全受験者の平均点が約79点なので、試験で79点以下のスコアになる場合はセクションの終盤で平均レベル以下の問題に出会っているはずですが、その場合でも、前半では連続正解して難易度の高い問題に出会っている可能性も高く、やはり「試験問題の方がOGよりも難しく感じる」ということが起こります。試験の前半での正解率が高くても、後半で時間に追われて連続不正解になるとレベルを下げられて、最終的なスコアが平均以下になることはよくあります。さらに、Verbalセクション終盤では時間不足になるケースがほとんどであるため、易しい問題でも「普段練習で解いている時より難しい」と感じてしまうわけです。

2. 解説の有無

最高レベルの難易度の問題の中には、「一見して複雑で難しそうであり、実際に難しい」タイプと「簡単そうに見えて、ほとんどの受験者が引っかかってしまう」タイプとがあります。

Official Guideなどの過去問を解いて練習しているときは、ほとんどの受験者が引っかかってしまうような最高レベルの難問でも、解説を読んだ後では「なーんだ、ここに気づければ正解できたのか。それほど難問でもなかったな」というように、実際の問題レベルよりも易しい問題だと認識してしまうことは多いはずです。

しかし同じレベルの問題に試験で出会った時には、時間内に解法のポイントに気づけないことが多く、「試験の方が過去問集よりもはるかに難しい」と感じてしまうものです。

Verbalなどの読解問題でも、後で落ち着いて読み直せば全然難しくない文章なのに、試験中に時間に追われると「全く頭に入ってこない」という状態になることがよく起こります。

試験で出会った文章は後で落ち着いて読み返すことができないため、「あの文章は難しかった」という印象のまま記憶に残るわけです。

3. 回答時間の微妙な差が生む大きな差異

OGなどの過去問集を使って時間を測って練習しているときは、速度と精度のバランスが最適になるような時間に近づけるように訓練していることと思います。一方、試験では難問に出会った直後など、1問に時間をかけ過ぎてしまった後に次の問題は無意識に普段よりも少しだけ急いで解こうとする心理状態になるケースは多々あります。

たとえば、普段の訓練で2分40秒かけているレベルの問題に、試験で2分20秒しかかけずに解いた場合、文章の冒頭で示されていた、たった1つの前提条件を見落としただけで正解の決め手が見つからず、非常に難しい問題に見えてしまうことは多々あります。

「難問に時間を使う」→「次の問題で普段よりも少しだけ急いで読む」→「重要な前提条件を見落として、非常に難しい問題だと感じる」→「時間を多く使ってしまう」→「動揺して次の問題も少しだけ急いで読む」→「前提条件を見落としたため、非常に難しい問題だと感じる」→(以下ループ)という悪循環が、試験中には多くの方に起こりがちです。

GMATでは、90%以上理解できていたのに間違えた「惜しい」問題でも、さっぱり分からなかった問題でも、同じく「不正解」になり、減点の大きさ(レベル変動の振れ幅)も同じです。

試験中に普段の練習通りの最適な回答リズムを維持できるかどうかによって「連続正解」か「連続して惜しい間違いをする」かの運命が分かれることになります。

公式教材を利用した学習法と試験戦略

上記を踏まえた上で、GMAT試験対策でのおすすめの公式教材の利用法と試験戦略は、下記のとおりです。

OGの使い方(学習用)

Official Guide (OG)やOfficial Practice Quesitions (OP) などの公式問題集は「網羅」と「弱点発見」に最適です。1問ごとの理解を深め、解説を読んで理解したことに満足せず、試験で同タイプの問題に出会った時に正解できるか(時間内での再現性)まで確認します。

本番再現の練習(試験用)

本番での体感難易度は時間制限とCAT環境により大きく上がる傾向があることを踏まえて、模擬試験やそれに近い練習環境を利用して、制限時間・連続解答・集中の切れ方まで含めて再現し、ペース配分とミスの出方を把握します。

試験中の戦略

試験では、難問に時間を使い過ぎたり、時間がかかった問題の直後に取り返そうとすると連鎖的に崩れがちです。重要なのは「体感的に難しく感じる問題には出会うもの」という前提で、次の1問からペースを戻すことです。

「取り返そうとする」のではなく、淡々と「次の1問をいつも通り」に戻すことこそが、本来の実力を試験スコアに反映させるための王道の戦略です。

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